2015年9月4日、航空法改正案が参院本会議にて全会一致で可決され、成立しました。
これにより、今まで航空法においてはっきりとした記載がなかったドローン(マルチコプター)の扱いが定められることになります。

当方の認識では、ドローン(マルチコプター)は、改正前までは模型航空機の扱いになると考えられ、以下の禁止空域に該当しない場合は、許可や届出がなくても飛行が可能であるという認識でした。(あくまで航空法においてであり、道交法や条例、モラル等の問題は別とします。)

[禁止空域] ※航空法施行規則209条の3,209条の4
航空路内:地表or水面から150メートル未満の空域
航空路外:地表or水面から250メートル未満の空域


このページの最後に航空法改正案の第二条を抜粋していますが、主なポイントは次の通りです。

(1)夜間飛行の禁止(日出から日没までの間において飛行させること)
(2)周辺状況を目視で常時監視できない場合の飛行禁止
(3)空港周辺、住宅密集地、イベント会場等の上空の飛行禁止
(4)上空からの物の投下や危険物の積み込みの禁止

(3)、(4)は当たり前のことですが、一部のモラル無い人がイベントや祭り等の会場で飛ばしていたこともあり、航空法で規制されるのは当然のことだと思います。
(1)、(2)については、当方はノーコンやフライアウェイによる飛び去りを常に警戒していますので、元々夜間飛行や目視外飛行は行いませんが、FPV飛行をしたり、夜間にしか飛ばせない人等は問題となるかもしれません。
なお、軽量のおもちゃは対象外とのことですが、詳しい重量等はまだわかりません。

航空法に限らずドローンの規制については、昨今のマルチコプターに関する事件の影響も有り、今後急速に整備が進むものと考えられる為、情報収集を常に行う必要があります。

 

航空法改正案(抜粋)

第二条
この法律において「航空機」とは、人が乗つて航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器をいう。

この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。

第九章無人航空機

(飛行の禁止空域) (新規)

第百三十二条何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合においては、この限りでない。

一 無人航空機の飛行により航空機の航行の安全に影響を及ぼすおそれがあるものとして国土交通省令で定める空域
二 前号に掲げる空域以外の空域であつて、国土交通省令で定める人又は家屋の密集している地域の上空(飛行の方法) (新規)
第百三十二条の二無人航空機を飛行させる者は、次に掲げる方法によりこれを飛行させなければならない。
ただし、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、次の各号に掲げる方法のいずれかによらずに飛行させることが航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがないことについて国土交通大臣の承認を受けたときは、その承認を受けたところに従い、これを飛行させることができる。


一 日出から日没までの間において飛行させること。
二 当該無人航空機及びその周囲の状況を目視により常時監視して飛行させること。
三 当該無人航空機と地上又は水上の人又は物件との間に国土交通省令で定める距離を保つて飛行させること。
四 祭礼、縁日、展示会その他の多数の者の集合する催しが行われている場所の上空以外の空域において飛行させること。
五 当該無人航空機により爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件で国土交通省令で定めるものを輸送しないこと。
六 地上又は水上の人又は物件に危害を与え、又は損傷を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令で定める場合を除き、当該無人航空機から物件を投下しないこと。

(捜索、救助等のための特例) (新規)
第百三十二条の三前二条の規定は、都道府県警察その他の国土交通省令で定める者が航空機の事故その他の事故に際し捜索、救助その他の緊急性があるものとして国土交通省令で定める目的のために行う無人航空機の飛行については、適用しない。

第十章雑則第九章雑則
(削る) 第百三十二条削除

第十一章罰則第十章罰則
(無人航空機の飛行等に関する罪) (新規)
第百五十七条の四次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第百三十二条の規定に違反して、無人航空機を飛行させた者
二 第百三十二条の二第一号から第四号までの規定に違反して、無人航空機を飛行させた者
三 第百三十二条の二第五号の規定に違反して、無人航空機により同号の物件を輸送した者
四 第百三十二条の二第六号の規定に違反して、無人航空機から物件を投下した者