Loiter ModeやAltitude Hold Mode(NAZAならGPS AttiやAttiモード)に頼らず、Stabilize Mode(NAZAならManualモード)で飛行できるように操縦練習をしておくと、もしもの時に安心です。
その練習の際の事故防止対策として一番簡単なのがこのパラシュートコードの利用です。
このコードで飛行範囲を強引に強制することで、暴走や飛び去りによる事故を防ぐことができます。
はじめに記載しますが、この方法を全ての場合において推奨するわけでは有りません。それは、コードの利用によって機体がバランスを崩したり、地上で絡まったりする可能性があるからです。
それでも、次のような場合には非常に有効な対策であると思います。
・ドローンの操縦初心者が練習する場合
・近くに学校やオフィスビル、イベント会場等人が集まる場所がある場合
・風が強い場合にどうしても飛ばさないといけない場合
・変電所が近くにある等、電波環境が悪い場合
これらの場合、機体をコントロールできないことで人や物と接触する危険性が非常に高まります。もちろん、機体のバランスを崩す、絡まるといったリスクは若干高まりますが、常に機体を目視している操縦者はある程度、落下位置を予測し避けられる可能性はあります。
それよりも怖いのが、コントロールアウトによる墜落です。無警戒の人にドローンが衝突したり、学校やイベント会場等に墜落することは絶対に避けなければなりません。すばらしい操縦技能を持ち、トラブル発生時もあわてず対処でき、後述するようなフェイルセーフ機能を設定し、機体の整備を怠っていない、更に飛行環境に何も問題が無いという場合においてはリスクに見合う価値はありませんが、そうでない場合は絶対にコントロールアウトさせない対策が必要です。
もちろん理想としては、少しでもリスクがある場合はドローンを飛ばさないというのが一番ですが、現実問題として難しい場合もあります。その場合でも仕方がないからといって何も対策をしないのは一番やってはならないことです。
当たり前ですが人の命より大事な物はないということと、ドローンはその命を奪う可能性を多分に持っているということを認識していない人は操縦をすべきではありません。
前置きが長くなりましたが、動画は実際にパラシュートコードを利用した飛行を撮影したものです。
動画にもありますが、急スロットルでコードを引っ張っても墜落することはありません。
※この行為は実験として行っている為、真似をしないようにお願いします。
パラシュートコードとはパラコードとも呼ばれ、その名の通りパラシュートでの利用にも使われる大変丈夫なコードで、通販等では30mで1,000円(送料別)ぐらいで販売されています。
※ロスコ パラコード 30M 耐加重250Kg オレンジ
テントやタープの設営に使われるガイラインとも良く似ていますが、一番の違いはその伸縮性です。通常のロープのように伸縮性が無いものを使ってしまうと、動きを制限する際に機体へのショックがダイレクトに伝わる為、機器の故障に繋がったり、場合によっては機体のバランスを崩す原因となる可能性も有ります。
パラシュートコードはその伸縮性によって、ショックを吸収しながら動きを制限しますので、機体へのショックは少なくなります。
パラシュートコードを利用して飛行する際に一つ注意をしないといけないのは、コードの取り扱いです。コード自体は自重で下に垂れ下がる形となる為、飛行している間は機体に絡まることはないのですが、機体との距離に応じてコードをある程度張っておかないと、地上近くでコードがプロペラ等に巻きつく可能性があります。
一番良いのは操縦者とは別の人に、コードを巻き取ってもらうことでしょう。また、あまりコードを長くするのも控えましょう。コードも重くなりますし、絡まるリスクが一気に高くなります。
私の場合は90mのコードを用意していますが、実際に伸ばすのは15m~20mぐらいです。10mおきに色を変えており、大よその長さを把握することができます。
機体へのロープ取り付けは、結束バンド(インシュロックやタイラップ)を利用するのが軽くてよいのですが、取外しを考えるとカラビナのような物を利用しても良いと思います。
一人で操縦する場合にはコードをペグに括り付けて地中に埋めこみますが、この場合ロープを長くすることはやめましょう。
二人の場合は操縦者でない方がロープを持ち、ロープの貼りをキープするようにします。
最後にもう一度記載しますが、この方法は機体のバランスを崩したり、地上で絡まるリスクがありますので、ある条件化においてコントロールアウトによる事故を起こさない為の対策であることをご理解ください。
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